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釣り場 : 大分県

Writer : 編集部

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猪熊博之氏3度目の栄冠に輝く

2013年 6月 3日 13時頃

6月3日、長潮。19回目を迎えた、WFG(ワールド・フィッシング・ガイア・オブ・グレ)の決勝戦の舞台、野崎島の「西波止の横」には前人未踏の3度目の優勝を狙う猪熊博之(推薦)、森井の三連覇を阻止、かつては池永の三連覇を阻止した地元の凄腕・吉本嘉済(五島)、前日の予選リーグでは最重量の17㎏超のクロを釣って勢いづく岩本隆清(広島)が勝ち上がった。午後0時、前日の予選リーグを戦った選手達にスタッフ、メディアを加えた大勢の観戦者の見守る中、決勝戦の開始を告げるホイッスルが響き渡った。

第1ラウンド=釣り座は右から吉本、岩本、猪熊。毎年決勝戦の行われる「一ツ瀬」は強風をもろに受けるために、風裏の「西波止の横」が会場になったが、時間を追う毎に風が激しくなり、時折横殴りで回り込むタフ・コンディションであったが、3 選手は仕掛けとマキエのコントロールを大きく逸らすこと無く、淡々と丁寧に仕掛けを打ち返す。まずは猪熊が規定(23㎝以上)未満のコッパグロを釣り上げて先掛けの権利を得るが、誰もそれが決定打になるとは思っていない。すぐに吉本が足の裏大のクロを釣り、本格的に試合が動き始める。序盤にリードを奪ったのが吉本。立て続けに中型までのクロを釣り上げて、大きくリードを広げる。吉本の使用ウキは「スーパーエキスパートUE/0C」。「からまん棒」にはG5〜G7の「ウェイトチェンジャー」を装着しているため、ウキは着水と同時に一気に沈下する。ウキが見えるか、見えないかの際際の位置で仕掛けを張って、クロのアタリを取るパターンで攻める。吉本は恐らく、中層よりも深めを探って一発大物を狙っているのだろう。決勝トーナメントの一回戦ではこの釣り方で47㎝を仕留め、昨年度覇者の森井を大逆転で破っている。決勝戦ではまだ大型が出ていないとはいえ、五島の釣り方を熟知しているだけに、第1ラウンドでのアドバンテージは大きいと感じられた。

第2ラウンド=釣り座右から岩本、猪熊、吉本。岩本と猪熊が猛ラッシュを展開、ほぼ交互に竿を曲げる展開を見せて、ここで立ち往生をしてしまった吉本を逆転、さらにその差を突き放す。岩本の使用ウキは「全遊動円錐/M/0」。ハリスにはG8、G7、G5を段打ちし、更にウェイトチェンジャーのG5も装着。ウキ止めはハリから4m。仕掛けは着水と同時に立ったまま沈み、水面下50㎝〜 1m付近からゆっくりと沈む設定だ。比較的ウキでアタリを取って、積極的にアワセを入れて、猪熊とのマッチレースを盛り上げるのであった。

第3ラウンド=釣り座右から猪熊、吉本、岩本。これまで吉本、岩本が最もクロを釣ったのが右の釣り座だ。これまでの展開では吉本が遅れをとっているものの、猪熊と岩本はほぼ五分。観戦者の誰もが、ここでの猪熊のハイスパートを予感する。風速10mを超える強風が吹き荒れているが、猪熊は一度もガン玉を使っていない。「私の狙っているクロのタナは矢引から1ヒロ半。ガン玉を打つと私のイメージするツケエの沈下速度よりも速過ぎるので、仕掛けの馴染みよりもツケエの同調を優先してノーシンカーで狙ったのです」(猪熊さん)。猪熊はまず、20m沖に先打ちマキエを3バイ打ってから、仕掛けを投入する。ここで驚くのが、3バイのマキエの着水点とウキの着水点が、すべてほぼ1m以内に収まる精度の高さ。距離もさることながらこの強風下で、瞬時に風も計算してピシャリと決めるのにはどこからともなくため息が出る程。猪熊の代名詞のウキ、「エイジアマスターピース/01」が馴染むと同時に、潮受けウキゴムがほんの少しウキから離れる。それを合図に猪熊は軽く糸を張ると、「エイジアマスターピース」がゆっくりと海中へ引き込まれる。穂先に重みが乗ってから鋭いアワセを入れるパターンで、猪熊は次々にクロを掛け続ける。マッチレースを展開していた岩本はペースダウン、吉本は第1ラウンドのような猛ラッシュを再び見せるが、猪熊のペースは衰えること無く、終了のホイッスルを迎えた。そして検量の結果、猪熊が遂に、前人未到の3度目のWFG優勝を達成した。

猪熊の釣りの最大の特長は、その精度の高さと細やかさにあるだろう。前述の通りにマキエと仕掛けの投入コントロールは高精度だし、仮に逸れることがあるならばそのまま流すことは絶対になく、即座に仕掛けを回収して仕切り直す。この強風下でもガン玉は打たないし、ラインメンディングもほぼしない。猪熊のこの釣りを実現するのに欠かすことのできないのが、浮力が極限まで細分化された釣研ウキ「エイジアマスターピース」。猪熊博之と「エイジアマスターピース」の超強力タッグは、WFGの大舞台で究極のクロ釣りを実証してみせた。

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