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釣り場 : 大分県

Writer : 編集部

Residence : 大分市

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大分川学習会 アユについて考える

2018年 2月 21日 15時頃

2月21日、大分川漁業協同組合事務所の2階にて、「大分川学習会」が開催され、アユについての講演が行われた。大分県内では、理事会やフォーラムでの講演会はあるものの、漁協主催で、組合員を集めての勉強は初の試み。これには、組合の今後を踏まえた危機感の現れがあった。「組合員の高齢化はもちろん、毎年放流しているアユが、年々穫れなくなっている。もっとアユの事を知って、未来へ資源を受け渡したい。そんな願いからこの勉強会の開催となりました」と挨拶した佐藤組合長の言葉に込められた願い、そして組合員からの熱い要望も後押しし、今回の開催となった。以下は講演会の抜粋。

浅海・内水面グループ・畔地講師=内水面グループでは、「アユの保護水面の禁漁期間は妥当か?」との問いに応えるために、大分川と大野川のアユの産卵時期を調べています。現在のアユの保護水面指定は、1989年9月に大分川、1988年2月に大野川が指定されていますが、近年の環境変化や、各漁協さんの話しからもズレてきたのでは?との疑問がありました。もしもズレていなければ、遡上アユが増え、資源の増大に繋がっているはずです。しかし、現実はそうなっていません。そこで、その妥当性を検証するために、流下仔アユ・遡上アユの孵化時期から産卵時期を推定するといった方法で調べました。

調査をおこなったのは、2015年です。その結果から、大分川では、孵化が11月上旬から1月上旬まで、ピークは11月下旬から12月上旬ということがわかりました。これから逆算した産卵時期は、10月下旬から12月中旬。産卵ピークは11月中旬・下旬と推測できました。つまり、ピーク以降の産卵時期は、禁漁期間を越えているといえそうです。年々変化する環境に、アユの産卵期が変わってきているといえます。

牧講師=今大分県の川で泳いでいるアユには数種類いるといえます。まず海産アユ。この海産にも2つあり、天然遡上と中間育成があります。もちろん、天然遡上が釣り人の言う地アユです。そして人工アユ。これは代々飼育されてきたオスとメスをかけ合わせてつくるアユです。以上は両側回遊型と呼ばれ、川で孵化し一旦海に落ちて、それから遡上します。これとは別に封陸型と呼ばれる湖産アユや、各ダムで生産されるアユもいます。

天然のアユと人工アユの見分けは、下顎側線孔をみることで80%見分けることができます。天然のアユは片側4つ(合計8つ)の孔が綺麗に並ぶのですが、人工アユはこの側線孔が乱れて並んだり、4つなかったりします。その他、ウロコの数や顔の形などを合わせて判断することで、見分けることが可能です。問題は、人工アユです。特に湖産アユは孵化後に海に落ちた後、殆どが死滅すると言われます。湖産アユには海水の浸透圧に耐えられる力がないと言われています。それでは、海産アユ(中間育成)にすればいいかと言えば、やはりこれも難しい。世代を経る毎にアユ本来の習性が薄れ、弱いアユになっていくと言われているからです。だから、できるだけ天然アユが産卵しやすい環境をつくるために、今の禁漁期間を変更して欲しいと考えているのです。

現状では、産卵のピークを迎える頃に禁漁期間が解け、漁が始まってしまいます。それではせっかく残っている天然アユもいつかいなくなり、取り返しのつかない川になってしまうことを恐れています。次の世代に豊かな川を残すために、皆さんのお力をお貸しください。

組合員の中でもアユは重要な魚のひとつとあり、皆さん食い入るように講演を拝聴した模様。また公演後の質疑応答の時には、「もっとアユを増やすためにはどうすればいいのか?」や、「お話を聞いてなぜアユが獲れないのかなんとなく分かった」といった声が聞かれた。そして、何より、漁協としてこのような取り組みを行ったことが、大分県内にある他の内水面漁協にも一石を投じたと言えそうだ。

講演を終えた後、牧講師にお話を伺うと、「ちょっとでもアユについて考えていただく機会を作って頂いたことに感謝。今後どのような取り組みに発展するかはわかりませんが、指を咥えて待つよりも何かをやってみる方がマシ」とつぶやく。今後、大分県を引っ張る取り組みになることを期待し閉幕した。

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