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釣り場 : 大分県

Writer : 編集部
Residence : 大分市
Club :
Pride :
夏のアジング
2018年 9月 15日 20時頃
アジがプランクトンパターンに入る構図はこうだ。まず植物性プランクトンが日差しをより浴びるために水面へ浮上。それを動物性プランクトンが食べるため水面へ浮上し、それを最後にアジが捕食する。つまり日中日差しが強いほど、アジは上へ上へとエサを求めてやって来る訳だ。これを踏まえて釣り場へ向かうと、一つ大きな点に気付く。潮がぶつかる場所には流されてきたプランクトンが溜まるという事、つまり多くのアジに出会うにはプランクトンの溜まり場を見つけるのが効率的と言える点。
しかし、アジにとっては捕食するに相応しいエサでも人の目には全くと言っていいほど見えない存在。これを見つけるのは至難の技であり、ほぼ不可能と言ってもいい。かと言ってライズしてるかどうか観察するため、ポイントをしらみつぶしに当たるのも効率が良くない。そこで難しいパターンに入った夏アジをより効率よく楽しむコツ、つまりキーとなるのは「ゴミ溜まり」。 |
ゴミが溜まり易いという事は、より潮がぶつかる場所。つまりプランクトンが溜まる場所でもある訳だ。これで場所もある程度絞れて来るし一安心。ともいかず、この時期のパターンが難しいのは、まだまだ要因がある。その中でもネックになるのは、やはり時期的にアジのサイズが小さい事。ただでさえ大きく口を開けてくれないアジに輪を掛けて、そもそもサイズの小さいアジが群れているわけだから、一筋縄では行きそうもない。
9月15日、中潮。時刻は22時を回り、やっと見つけたゴミ溜まりのある四浦突端の港。潮は上げ8分程度で流速も申し分ない。まずスタンダードな所から、ジグヘッド1・5gで探ってみる。序盤はライズの多い表層。アタリは多数。しかしハリ掛かりせず。次に中層。アタリは表層程ではないものの、そこそこ。依然ハリ掛かりせず。最後にボトム付近。ほぼ無反応。極稀にあるアタリについてはフォールで上から追ってきた個体がつついている印象。やはり今回のパターンは、先程述べたプランクトンや他にも極小のアミを主に捕食対象としている様子。リトリーブするタナをアタリの多かった表層に合わせるにも、ジグヘッドが重過ぎるので早々にキャロアジング用の0・6gジグヘッドへ変更。「表層ふわふわ作戦」。PEの浮力とジグヘッド0・6gの組み合わせを利用して、超スローフォールでゴミ溜まりの隙間に仕掛けを送り込むと、早々と1匹目を捕獲。 ゼンゴの居食い、ついばみ系捕食はアワセのタイミングもシビア。ロッドを立て気味にし、テンションフォールで極力沈下速度を限界まで抑えながらも、アジの繊細なアタリに集中する。即アワセはもちろん厳禁。出来る事なら一度穂先を送ってアワセる位の気持ちで臨みたい所。よって、アジの口にワームが入っている時間をいかに長く取れるかが、勝負の分かれ目となる。例に挙げるならば、違和感が無い様に極力ワームをちぎって使ったり、あらかじめ短めのワームを持参するなど工夫したい。 |
ポイントが漁港の湾内などであれば、更にプランクトンが密集するスロープ沿いも上手く活用していきたい。スロープ周りにはアジの他に色んな魚が回遊してくる。アジやそのほか小魚の様子を見て違和感がある様なら、プラグなどで探って見ても良い。小魚の群れがやけに騒がしいと思ったら犯人はこの子。やはり水温はまだまだ高い様子が確認できる。ちなみにヒットルアーはジャクソンの「リップレス」。夏場のカマスから冬場のメバルプラッキングまで、ライトゲームのサーチルアーとして年中使えて非常に優秀なのでオススメです。
さて話は戻り、その後は更にアジのサイズアップを目指して、あえて中層を重点して狙うも、この日の群れは上から下まで同じサイズ。ただし数自体はコンスタントに連れ続けて、決して簡単ではない状況ながらも余裕の2ケタと、結果的には好釣な釣果で、終始釣りを楽しむ事が出来た。一見すると夏場の豆アジ攻略には神経質なロッドワークにタックルバランスと気難しく感じられるが、小さなアジを狙ってジグヘッドを軽く小さくする。リーダーを細くする。相対的に見ると、なかなか攻め込んだ釣りに見えてくるのが不思議。ある意味ではアジングの本当の意味での楽しさを再認識させてくれる。 豆アジなんかサビキで狙えばって人ほど試してほしい夏場の豆アジング。この楽しさに魅了され、更にアジングユーザーが増えていけばいいなと思う今日この頃でした。 Text & Photo by 伊水 衣鳴 |