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釣り場 : 宮崎県

Writer : 編集部

Residence : 大分市

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宮崎の漁港でメッキアジに挑戦

2018年 10月 2日 9時頃

東京にいた頃、もう20年は前になろうか。伊豆や千葉でメッキアジが釣れるらしいと聞いた。調べてみるとメッキアジはトレバリーの幼魚であり、黒潮に乗ってやって来た稚魚が、ひと夏を過ごし、真冬になると寒さで死ぬ。どうやら死滅回遊魚の範疇らしい。引きはすごく、手の平サイズがバスロッドからギャンギャン糸を引き出す暴れん坊ぶりだとか。しかし、話だけで1回も釣れた事などなかった。年により当たり外れが多いらしく、永くそのことを忘れていた。

今年の初夏、宮崎でヒラスズキの聞き込みをしていた時のこと。現地ではこのメッキアジが毎年普通にやってきて、しかも、越冬した奴がヒラスズキ狙いのルアーに掛かるという。越冬もする…、ここでは死滅まではしないらしい。ならば狙ってみますかと、9月17日、宮崎市の釣具店で再度聞き込み。そこでは「河口に多いらしい」、「100mぐらい遠投してナブラ打ちすれば釣れるかも?」といった大雑把な情報しか得られなかった。いつもの事である。現地を直接見に行くしかない。

紹介された場所はいずれも大場所で、場所の絞り込みは無理そうだった。小場所をランガンした方が効率が良かろうと一気に南下し、午後3時頃、油津港に入る。真っ先に向かったのは、港に流れ込む小河川。川というより運河である。橋の陰にメッキアジを求め、自作ジグスプーンを投げた。数投目、ピックアップ寸前で水底からワラワラと金属光沢を放つ小魚達が湧き上がってきた。「居た!」しかし、橋の影はそれきりだった。今度はボートの影を狙う。投げる必要はない。ポチャンと5mほど先に振り込み、2m位沈めてからジギングしてみる。すると、すぐにまたあの金属光沢が湧き上がり、すぐに沈黙した。どうすれば釣れるのか? 考えあぐねていると潮が引き始め、セイゴがウロウロし始めた。試しにまたジギング。

今度はびっくりするぐらいギラギラと魚群が湧き、ルアーを取り囲んだかと思うと、竿に重みが乗った。アジングロッドが深く締め込まれ、チチッと軽くドラグが鳴る。しかし、驚くほどの引きではない。口切れしないように慎重に寄せ、ヒョイと抜き上げた。ギンガメアジである。英名シックスバンドトレバリー。アジングタックルで危なげなく獲れた。バス用の短い竿だったらドラグも出たと思う。

さて、もう1匹と意気込んで釣るが、中々ヒットしない。ワラワラまでは容易に再現されるが、連続ヒットがない。そこで、ワラワラの後に、すかさずルアーチェンジを試みる。ジグの後はミノー、その後はダートヘッドのワーム。いずれもリアクションバイト狙いの速いアクションだ。すると、1ヶ所で2バイト出せるようになった。小移動も効果的だ。船かブイの陰に魚影を見付けたら、すかさず狙ってみる。なんてことない一角だけ魚影が濃い事もあった。見ればギンガメアジともう1種類、やや大きいメッキアジの群れを見付けた。

その場所をよく見ると、小さな水路の流れ込み、船の陰、カキ殻が沢山ついたロープと、複合ポイントを形成している。ジグでやったがすぐに見切られた。すかさず渓流用自作ミノーにチェンジすると、やや大きい奴が食いついてきた。ロウニンアジである。英名ジャイアントトレバリー。GTの略称で有名な奴だ。これが越冬すると、磯で釣れるようになり、たいそうエキサイティングなファイターに成長するらしい。ここまでやって、この魚が見えてきた。どうやら、メッキアジは小さい内は汽水を好む。しかし、スズキの仲間ほど淡水には強くないようで、真水の匂いが微かにする程度の場所に多い様だ。そして、青物ほどの回遊性は無く、岸付近のストラクチャーに付いている。

船溜まりをひとしきり回った頃、潮の引きが強くなり始めた。運河の湾曲部に明瞭な潮目が出来たので、今度はそこを狙う。強い流れに押されたルアーが反転流に入ると、キラキラと銀箔の輝きが沸き上がる。その中の1枚がグイと反転すると、ドラグがチチッ! と鳴り竿が絞り込まれた。潮が効いている間は連続ヒットした。無論、ルアーローテーションは欠かさない。短い時合いが終わるまでに何とか3匹、ここで引き出せた。

メッキアジの魚体はサイズこそ小さいが、ルアーに出る時の激しさと引きの強さ、そして美しさは申し分なかった。GTゲームをミニチュア化したような陽気な釣りが街中で楽しめるというのもなんだか楽しい。今度は一つ、味も見てみようではないか。キャンプ地で火を起こし、塩焼きと刺身で味を見る。刺身は歯応えのあるアジといった印象で申し分ない。塩焼きも同じ印象だった。アラを茹でた出汁でカレーを作ってみる。半身を何枚か揚げて添え、トレバリーのカツカレーにしてみたら、これが予想外の美味さになった。南国気分満点のキャンプ飯である。

薄雲が掛かる夜空に半月が昇る。クーラーボックスから地酒初御代(はつみよ)の瓶を抜き出し、コッヘルに注ぎ夜空に向かって祝杯を挙げると、ジェット機が勢いよく薄雲を切り裂いていった。初挑戦にしてミッションクリア、上々の結果ではないだろうか。今宵は海と空のトップガンを称えて乾杯。

HN/妖怪熊河童・記

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