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釣り場 : 熊本県

Writer : 編集部

Residence : 大分市

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秋の夜長にシーバス狙い釣れるの?シンキングペンシル

2018年 10月 7日 15時頃

「シンキングペンシル」…、好きな人はこれしか使わないほど好きで、関心が無い人は恐らく死ぬまで使わないルアー。実は私も無関心だった者の一人。この種のルアーの草分けはラッキークラフトのバスルアーである「ワンダー」。発売当時から玄人にしかその良さが分からない様なコアなルアーだったと思う。うろ覚えだけど、その前にラパラCDにリップ無しのバージョンがあった気も。更にその前、関東の釣具屋さん、上州屋が出していたオリジナルシーバスミノーは、今思えばシンキングペンシル的な物だったと思う。たまたまこのミノーの試作をやった人を知っていて、「なんでこんな動かないミノー作ったの?」と聞いてみたら「この仕様が一番釣れたからこれを出した」とのお答え。私の自作バスルアーも、失敗すると時々全く泳がない奴が出来て、それは多くの場合春先だったのだけど、これでしか釣れない日が1年に1回ぐらいあった。

10月初旬の夕刻、新しく作ったシンキングミノーをルアーボックスに放り込んで、近所の釣り場白川にある堰(せき)に釣行。現場でルアーを取り出してみると、間違ってリップ未装着の物を持ってきている事が判明。しかも狙いのポイントは、先行者2名が念入りにミノーで打った後。「ダメな日はとことん駄目だな」と思いながら、リップが付いているミノーでやってみるが、当然無反応。

「ダメもとで…、出してみるか」リップが付いていないだけのシンキングミノーを結び、近くの水面で泳がせてみると、これが意外にいい感じ。形状のせいか、巻くとすぐに水面まで上がってしまうけど、ルアーはよろよろと身をよじり、しかもボラの幼魚が出す引き波にそっくりの波紋まで出る。そのルアーをミノーで恐らく百回位流したポイントに入れてみると、一発でヒット。しかも、結構アタリも続き、サイズは小さいながらも、3匹引っ張り出せるという快挙。シンキングペンシル、こいつは侮れないぞという事に。

日を改めて10月28日、夜9時頃。件の自作シンキングペンシルを同じ場所で使って、これが全くの無反応。アタリもカスリもなし。晴れた空には煌々と月が輝き、良い画が撮れそうだったので、「じゃ、せめて動画でも撮ろう」と、実績のあるフローティングミノーに結び替え、セイゴでもいいからヒットさせてやろうと色々やってみるが、思いのほか苦戦。

潮は満ち込んでいる最中だから、どんどん魚が入ってくるタイミングのはず。しかも、周囲に良いライズも出ている。魚は絶対に居る。デッドスロー、早巻き、トゥイッチングとやってみたら、トゥイッチングにだけアタリがあり、30㎝クラスを3匹キャッチ。アタリはその3匹で止み、ライズも無くなり沈黙が訪れる。さて、もう帰ろうか? サイズアップを狙うか…? ここでもう1回、あのシンキングペンシルを出してみる事に。

対岸にはシーバス狙いの人が新たに入ってきた。時合い的にも良いはず。水面に出る細波は月光を反射し、ポイントの見当もつきやすい。意を決してシンキングペンシルを潮上に向かってフルキャストする。いつものシンキングミノーより10mは遠くへ飛んだ。遠投性能は良い。ここは油断するとフローティングミノーでもテトラの頭に引っかかる浅場だけど、このルアーは水面直下を引き波出しながら巻いてこられる。「アタリは…来るのか…?」

このルアー、実績も少なく、ルアーが動いている感触にも乏しい、数投目でやはり釣れないのではと弱気の虫も囁き出す。「ここは、ルアーを信じてみようか…」。ミノーで叩いた直後で魚は居るのに食って来ない。図らずも10月初旬のあの日を再現したような状況。暗くて視界が効かなくなるとその他の感覚は却って鋭敏になるという。この時、全く巻き抵抗が無いと思っていたシンキングペンシルにも微かな巻き抵抗がある事に気付いた。

流れに入った手応えも反転流に入って竿先が戻る感触も感じ取れる。今、ルアーは水面に引き波を立てているはず。堰を流れ落ちる水の音と月明り。か細いコオロギの鳴き声。やがて、竿先を恐々ノックするようなアタリが出た。竿を立てる。浅場であるからすぐに水飛沫が水面を割った。「大きいぞ!」

浅場でヒットしたシーバスは沖へと逸走する。悲鳴を上げるドラグを少しだけ締め、慎重に寄せにかかる。エラ洗いの度にシーバスの白い腹が月光を反射した。魚が疲れたところでタモを水面に下ろし、魚の頭をタモに向かせてそっと掬い上げた。測るまで70㎝アップだとばかり思っていたが、61㎝しかなかった。シーバスとしては小さい方だが、いいだろう。早速祝杯を上げるために、いつもの店へと走った。

食処花樹の店主は、私からシーバスを受け取ると手際よく解体して、たちまち何品かの料理を出してきた。グラスに冷酒を注ぎ、未完成品から晴れてレギュラー入りとなったシンキングペンシルの門出を祝う。今回出来たものは水面直下専用みたいなものだが、もうちょっと下を引けるものも試作してみよう。私のシーバスフィッシングに新たな引き出しも出来た。酔いが回ったからじゃないけど、今なら断言できる。「釣れるよ、シンキングペンシル!」

HN/妖怪熊河童・記
食処花樹の店主は、私からシーバスを受け取ると手際よく解体して、たちまち何品かの料理を出してきた。グラスに冷酒を注ぎ、未完成品から晴れてレギュラー入りとなったシンキングペンシルの門出を祝う。今回出来たものは水面直下専用みたいなものだが、もうちょっと下を引けるものも試作してみよう。私のシーバスフィッシングに新たな引き出しも出来た。酔いが回ったからじゃないけど、今なら断言できる。「釣れるよ、シンキングペンシル!」

HN/妖怪熊河童・記

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