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釣り場 : 大分県

Writer : 編集部

Residence : 大分市

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ミノーイングでヤマメを追う

2019年 3月 6日 13時頃

3月に入り、待ちに待った人も多いだろう「あの」釣りが解禁された。そう、いよいよ渓流釣りの始まりだ。毎年、菜の花が開花する頃には各地で解禁となる渓流の釣り。渓流釣りと一括りに言っても様々な形がある。代表的なエサ釣りをはじめ、テンカラやフライフィッシング、そしてルアーフィッシング。各地の釣具屋さんには、様々な渓流用ルアーが並び、徐々に若者達にも周知されつつある渓流ルアーフィッシング。ただ同時に、もっともっと浸透しても良いのに。と思う気持ちもある。やはり足を止めてしまうのは、その敷居の高さからか。特に、初めてならば「そんな狭い所に?」、「そんな浅い場所へ?」といった驚きの連続だろう。時に難しいキャストを要求される事もある。しかし、いざ自分の狙っていたポイントへルアーを通し、思い通りに魚が釣れた時は、何にも代え難い達成感が溢れてくる。今回はそんな渓流釣りの魅力について触れていきたい。

3月6日、晴れ。ここは宮崎県と大分県の県境。川にはまだ落ち葉が残り、岩肌には若いコケが生える。今回は、ここ桑原川上流を流れる藤河内渓谷が舞台。昨年の夏以来、久々にこの山へと登る。山へ入れば昨年とは、また違った雰囲気を感じ取れる。

まだ寒くて活発的では無いのか、夏場の様な活き活きとした鳥や小動物の気配はあまり感じられない。虫が少ないのを良い事に、ズカズカ進むと岩壁沿いにはヤマザクラが見える。夏や秋とはまた違った春の始まりを告げる景色が広がって、四季をより鮮明に感じられる。足を進めるごとに自然と一体になれるのも渓流釣りの魅力の1つだ。

さて、ここ桑原川上流のエリアは流速も速く、エリアによっては一度にルアーを引ける距離は短い。そんな理由から、いつもは出番の少ないスピナー系のルアーだが、今年は変化を求めて積極的に使用してみる。魚が追えるスピードで、尚且つブレードが回転する絶妙なリトリーブスピードが思いのほか難しい。ただし、流れの緩い比較的深いポイントでの集魚力は、めっぽう強い様だ。使い分けるなら浅場や小場所のミノー、深場や大場所のスピナーといったところか。

そして、何より驚いたのはアキュラシー性(=正確性)の良さ。ミノーのようにリップや扁平ボディなど空気抵抗に繋がるものが少なく、小さく重いボディ構造は飛距離もさる事ながら、ピンスポットへのキャストが面白い様に決まる。よって、風の強い日や人のプレッシャーが高く、遠投が余儀なくされるエリアなどでは更に大きな武器になりそうだ。それでは、いつものミノーイングへと戻ろう。メインとなるルアーは、今年もリュウキのシンキングモデルがベースとなる。扱い易さもさる事ながら、渓流系のルアーを扱うお店なら、大体置いてあると言っていいほどメジャーで人気があり、信頼が置ける。そして何より現地で供給しやすいと言った点が大きい。最近では新しいモデルの38㎜ボディも展開されているようなので、気になる方は要チェックだ。

さて、今年の記念すべきミノーイング1発目。小雨の影響で川に濁りが入る中で、視認性を考慮した派手目な色を選択。狙い目は低い段差の瀬落ち。水温はまだまだ低く、白泡下でアタリが出るほど活性は高く無いと読み、白泡の袖を通して緩い流れの隅にミノーを通す。ここまでは、読み通りの展開だ。ここ一発のチャンスには、やはり使い慣れたミノーに軍配が上がりそう。瀬の攻め方は人それぞれであるが、こういった小場所ではアップクロス、ダウンクロスがルアーをより長く見せることが出来る為、アプローチ方法としては生きてきやすい。

それに加えて、いかに魚に気配を悟られず、川沿いを歩けるか。ルアーのアプローチ方法とセットで考えられると、更に釣果は伸びてくる様に感じる。その後も更に上流へと登るが、やはり流れの中では無く、外側の緩い流れに付いてエサを待っている様子だ。活性は、まだ完全には上がり切っていないものの魚影はかなり濃い。この調子でいけば、暖かくなり羽虫が湧く頃には流れの中や白泡中でもルアーを追う個体が現れると考えて間違い無さそうだ。

ここで正午を過ぎ、遂に折り返しの時刻を迎える。小場所を積極的に狙いながら歩き、午前中だけでも釣果はすでに2ケタへ届きそうな勢いだ。釣り終了の合図、日没に向けてラストスパートをかける。次の目的地は、いよいよ沢や淵などの大場所を狙う。大場所でのアプローチ方法は基本的には今までと同様だが、ここでは状況に応じてボトムや表層を、今まで以上に様々なルアーを駆使して攻めていく事ができる。狙える範囲が広くなれば、同様に釣り方の範囲も先程とは比べられ無い程広がるといったわけだ。

ただし、そこは魚がより多く潜んでいる可能性が高く、誰が見ても格好の釣り場。数々の先行者が狙ってきたポイントなだけに攻略難易度は見た目以上に高い。その上、一度スレてしまうと魚は一気に下流域まで流れ込み、周辺の魚にまでも余計な警戒心を与えてしまう為、一層気を引き締め無ければならないエリアでもある。しばらく休ませておけば、また釣れ始める。そんな淡い希望を持ちたい所ではあるが、沢の魚は正に百戦錬磨の強者揃い。

念のため沢の下流域で、めぼしいポイントは先に隈なくチェックしておきたい。他にも大場所での釣りが、他の小規模なスポットと決定的に違うのは、自身の立ち位置が非常に重要になってくるという点だ。至極簡単な話、小場所では攻めたいポイントに対して魚から察知され難い様に回り道をするなどして、理想に近い立ち位置を確保する事が比較的容易だ。

しかし大場所では、その水辺の広さと魚影の濃さが時に厄介になる。流れ込み付近だけでは無く、手前にも魚がいる可能性があり、無闇やたらに入水する事も難しい。また淵など上流へのルートが制限される場合も多く、立ち位置を間違えてしまえば、先程述べた「負の連鎖」に繋がってしまう事もある。以上の点を踏まえて、余計な警戒心を与えない様にうまく魚を騙しつつ、大場所に潜む大物を手にしたい。

さて、以上が大まかな藤河内渓谷内における一連の流れだ。大分県近郊には他にも大分川、大野川、筑後川などなど様々な渓流スポットへアクセス出来る恵まれた環境にあるので、尚更この楽しさを体験して欲しい。渓流釣りには、他とは違った独特な世界観があり、いざやってみると一部の熱狂的な渓流アングラーが居るのも頷けるはずだ。大自然の中で時間の流れを忘れさせてくれる。そんな渓流フィッシングの魅力溢れる世界に、皆様も是非一度足を運んで見てはいかがでしょうか。

Text & Photo by 伊水 衣鳴

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